「ファミリーカー」はもはや死語? 都市部の30~40代ファミリー層“約5割”がクルマを所有していないという現実
自動車メーカーは子育て世代をターゲットに「ファミリーカー」を市場に投入している。しかし、地方ではクルマは必需品かもしれないが、公共交通機関が発達している都市部では所有するハードルは高い。
都市の生活とクルマ、維持費のハードル

戦後の高度経済成長期を経て、人生で最も高価な買い物のひとつであるクルマは、庶民の憧れの対象から、大人の必需品へと変貌を遂げた。
若い頃からドライブデートや友人との旅行など、クルマはお出掛けの相棒だった。結婚、子育てとライフステージが変わると、ファミリーで出掛ける新しいパートナーとしてファミリーカーに買い替えるのが定番の消費スタイルとなった。
通勤、通院、買い物、旅行など、クルマが使われるシーンは日常生活から非日常まで幅広い。クルマとともに生活があるといっても過言ではない。
しかし、公共交通機関が発達し、スーパーマーケットも多い都市部では、日常生活でクルマを使う機会は限られている。使うとしても週末や長期休暇くらいで、維持費を出してでも買いたい人が買うぜいたく品になりつつある。購入後も、
・保険料
・ガソリン代
・充電代
・自動車税
・車検
など、不要になるまで維持費がかかる高額商品である。
さらに、都市部に住んでいれば駐車場代もかかる。お金のかかる自家用車を所有するよりも、公共交通機関やカーシェアリングを利用する方が、都市型のライフスタイルには適している。
クルマを取り巻く変化はそれだけではない。「公的な身分証明書」という位置づけから、かつては18歳以上になれば取得するのが当たり前とされていた運転免許証も、マイナンバーカードの台頭でその優位性が薄れてきた。筆者(中山まち子、子育てジャーナリスト)の周囲では、
「運転する予定もないのに教習所に通って」
取得することが珍しくなかったが、マイナンバーカードが運転免許証に取って代わった今、わざわざ取得する必要はなくなった。