ボーイング・エアバスから市場を奪還? 中国初の国産機「C919」は、欧米寡占を打ち破る突破口となれるか
2月に開催されたシンガポール・エアショーでは、中国のCOMACのC919が初の海外デビューを果たし、世界的な注目を集めた。米国とEUの寡占状態を打破する突破口となり得るのだろうか。
エンジン国産化の課題

中国ではC919に搭載する国産エンジンCJ-1000Aの開発を急いでおり、既に空中試験の段階に進んでいるものの、エンジンの実用化には時間がかかる。
そのほかの重要装備品も、すぐに国産に置き換えることは困難で、現在は米国や欧州の企業も、中国企業とともにC919の命綱を握っている状態だ。
かつて米ソが対立した東西冷戦とは異なり、米中の対立はグローバル経済の複雑な構造をともなっている。中国による旅客機の
「国際市場進出」
が現実になりつつあるなか、米国やEUがどのようにこれを迎え撃つのか、今後の展開を注意深く見守る必要があるだろう。