航空自衛隊が封印した岐阜基地「PFAS汚染」 県も“汚染マップ”公表封じ、防衛省“土壌調査”削除要求の現実

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岐阜県南部に位置する各務原市の飲料水から、発がん性が指摘されている有機フッ素化合物PFOSとPFOAが高濃度で検出された。汚染はどこまで広がっているのか。

岐阜基地すぐ西側で高濃度検出

高濃度が検出された三井水源地(画像:諸永裕司)
高濃度が検出された三井水源地(画像:諸永裕司)

 2023年7月、日本で規制されている化学物質であるPFASが、岐阜県南部に位置する各務原市の飲料水から高濃度で検出された。PFASは有機フッ素化合物の総称で、代表的なものにPFOSとPFOAがある。分解・蓄積されにくく、なかなかなくならないことから「永遠の化学物質」と呼ばれている。その種類は1万種類以上あるとされている。

 汚染源ではないかと疑われたのは、市内にある航空自衛隊の岐阜基地だった。「航空自衛隊が封印した岐阜基地「PFAS汚染」 原因は航空機事故で使われる泡消火剤か」(2024年2月12日配信)に続く記事。なお文中の「ng(ナノグラム)」は、10億分の1gを意味する。

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 発がん性が指摘される有機フッ素化合物のPFOSとPFOAが飲み水から高濃度で検出された岐阜県各務原市。汚染はどこまで、どのように広がっているのか――。

 各務原市は2023年8月、高濃度が検出された三井水源地から半径500mにある井戸を調べたところ、44か所のうち13か所で国の定める目標値(PFOSとPFOAの合計で50ng)を超えていた。その大半は

「航空自衛隊・岐阜基地のすぐ西側」

にあり、最大で450ngだった。一帯の地下水は基地のある東から、水源地のある西へと流れている。

 岐阜基地には、研究開発の要であり、航空自衛隊で唯一となる飛行開発実験団のほか、航空管制や飛行管理業務を担う岐阜管制隊、航空機部品の保管および航空機を運用するために必要な物品を提供する第2補給処などがある。また、航空機事故による火災に対応するため、PFOSを含んだ泡消火剤も備えていた。

 市はさらに、市内全域の95か所で水質調査を行うことにした。基地内にある2か所の井戸(専用水道)も対象となった。その結果、5か所で目標値を超えていた。また、基地内の井戸は33ngと38ngで、このときは目標値を下回っていた。

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