横田基地「日米友好祭」 11万人来場で活況も、背後にひそむ「騒音問題」という終わりなき悪夢
5月21・22日に開催された「日米友好祭」
東京都の多摩地域西部に位置する在日米空軍横田基地(福生市など)で5月21日・22日の2日間、「日米友好祭」が開催された。
この催しは同基地への理解を深めてもらうことを目的として開催されている。新型コロナウイルスの感染拡大で3年ぶりの開催となったが、開放された基地内にはオスプレイなどの機体が並び、航空機ファンを始め2日間で約11万人が来場した。
開催中の22日には、首脳会談のために来日したバイデン大統領を乗せた米空軍の大統領専用機「エアフォースワン」が到着したことも話題となった。
催しはあたかもコロナ禍が過ぎ去ったかのように演出されたが、開催にあたって基地内の感染状況は明らかにされず「感染者は少なくなった」としか説明されなかった。また、マスク着用を強制していないことが明言されるなど、不安ばかりの開催であったことはあまり注目されなかった。
横田基地はいわば、首都直近にある「占領軍の基地」という側面もある。その土地面積は713万9452平方メートル。実に
「東京ドーム153個分」
もの広さだ。
騒音対策すべき「53.3%」
ただ、地元での感情は独特だ。2022年3月に明らかにされた福生市の「市政世論調査」報告書によれば、横田基地に対する答えは次のとおりとなっている。
・国の防衛政策上のための施設であり、あって当然である:12.9%
・国政上の問題であり、あってもやむを得ない:21.5%
・あってもやむを得ないが、騒音対策や生活環境整備に力を入れるべきだ:53.3%
・必要な施設だと思うが、福生市にあるのは困る:1.7%
・市の発展に影響しているので、ない方が良い:5.5%
・その他:3.6%
・無回答:1.5%
福生市の報告書では上位三つの回答を合計して「肯定派」と分類。2018年調査より基地肯定は1.8%増加し、87.7%になったと記載している。ここからうかがえるのは、地域経済と密接な関係になった基地を容認せざるを得ないが、現状起こっている問題は解決すべきという地域住民の意識だ。