航空自衛隊が封印した岐阜基地「PFAS汚染」 県も“汚染マップ”公表封じ、防衛省“土壌調査”削除要求の現実

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岐阜県南部に位置する各務原市の飲料水から、発がん性が指摘されている有機フッ素化合物PFOSとPFOAが高濃度で検出された。汚染はどこまで広がっているのか。

全国の基地で高濃度

決裁文書(画像:諸永裕司)
決裁文書(画像:諸永裕司)

 ところで、この幻の要望書には、基地内の土壌調査と並んで、財政支援の項目も盛り込まれていた。

<非常に多額の支出が必要であり、独立採算を原則とする上水道事業においては、それらの経費は市民の皆様から徴収する水道料金に影響することが考えられます。
この度の事案は、燃料費の高騰などの通常の経済変動によるものではないことから、この多額の対策経費を市民の負担に転嫁することは、到底理解が得られるものではありません。

しかし、土壌調査を行えなければ、汚染源は特定できず、汚染者負担による賠償も得られない。水質浄化のための費用負担は市にのしかかったままだ。基地内に汚染された土壌があれば、除去されない限り地下水の汚染も続くとみられる>

 しかし、各務原市によると、第2期工事の概要が定まっていないことなどを理由に、防衛省によるPFAS汚染に対する新たな予算措置は決まっていないという。

「土壌調査を自ら行わず、市による土壌調査も阻み、財政支援にも踏み出さずにいる理由」

についてたずねたところ、防衛省から回答はなかった。

 なお、防衛省の調査では、全国21か所の航空自衛隊基地にある消火水槽から国の指針値(PFOSとPFOAの合計で50ng)を超えるPFOSとPFOAが検出された。すでに処理されたものも含めると、

・那覇基地(沖縄県那覇市、160万ng)
・小牧基地(愛知県小牧市、110万ng)
・小松基地(石川県小松市、90万ng)
・美保基地(鳥取県境港市、45万ng)

など高濃度でみつかっており、防衛省では泡消火剤の処分が課題となっている。

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