航空自衛隊が封印した岐阜基地「PFAS汚染」 県も“汚染マップ”公表封じ、防衛省“土壌調査”削除要求の現実

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岐阜県南部に位置する各務原市の飲料水から、発がん性が指摘されている有機フッ素化合物PFOSとPFOAが高濃度で検出された。汚染はどこまで広がっているのか。

幻となった要望書

「土壌」という文字を横線で消した文書(画像:諸永裕司)
「土壌」という文字を横線で消した文書(画像:諸永裕司)

 市が作成した要望書の原案は次のようなものだった。

<有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)については、科学的な検証等はその途上であり、土壌に排出されてから地下水に移行する期間等も明らかではなく、明確にその原因を特定することは困難なものと考えております。しかしながら、当該物質を効果的に除去および低減するためには、地下水以外の公共水域や土壌等にもその調査範囲を広げ、その残留状況を把握することも肝要であると考えています。

これらを踏まえ、貴省による基地内土壌調査の実施等、市民の不安払拭や民生安定等のための様々な対策をとっていただくことを切に要望します>

 原案を受け取った翌10月26日、東海防衛支局の企画係長は念押しするように「修正案」を市に送っている。「今後の当市の取り組みと連携し」という表現を挿入するとともに、文面にある「土壌調査」のうち「土壌」という文字を横線で消したものだった。

 要望書は8月に素案が作られ、調整を重ねて11月にも防衛省に提出されるはずだった。要望書についての市の決裁文書は、区分が「市長決裁」で、宛先は「防衛大臣 木原稔」、その下に市長、副市長以下、水道部を含めた計21人の決裁印が押されている。日付は「令和5.10.25」と手書きされていたが、要望書はいまも出されていない。

 関係者によると、要望書の提出には、岐阜県知事も難色を示したという。岐阜県の古田知事は

「その後も追加調査を予定しており、調査完了後に必要なすべての要望事項をまとめて提出するほうが適当ではないか、との意見を伝えた」

としている。

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