タクシー業界vsライドシェア業界 対立から「共存共栄」へのシフトは可能なのだろうか?

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観光ニーズやドライバーの高齢化により、交通ニーズは拡大する。タクシー会社が保有する車両や人材を副業・兼業に活用し、地域公共交通としてのライドシェアを維持・発展させることが望まれる。

タクシー業界、ライドシェアとの共存戦略

ライドシェアのイメージ(画像:写真AC)
ライドシェアのイメージ(画像:写真AC)

 2017年、日本経済新聞は米国のタクシー業界イエローキャブについて次のように報じている。

「「イエローキャブ」の愛称で知られるニューヨークのタクシー業界が、ウーバーなどライドシェアの急激な普及で苦境に直面している。タクシーの売り上げ減少に加え、市が発行するタクシーの営業権である「メダリオン」の相場も急激に下落」

 米国のタクシー運転手の大半はメダリオンのタクシー免許を持つ個人事業主であり、ニューヨークではライドシェアの乗車数がタクシーの乗車数を上回ったと報告されている。別の事例報告として、『ロサンゼルス・タイムズ』紙は、2016年時点でライドシェアがタクシー乗車数を42%、総乗車数を30%減少させたと報じている。

 一方で、「タクシー業界全体の売り上げが向上した」という報告もある。

 オーストラリアのニューサウスウェールズ州が2015年から2017年にかけて発表したタクシー業界の売り上げデータによると、タクシーの売り上げはほぼ横ばいだった。2016年にライドシェアが導入されたことで、売り上げは一時的に減少した。しかし、タクシー需要は回復傾向を示し、2017年にはライドシェア導入前の水準に戻った。

 ライドシェアの導入が外出需要を喚起し、その結果、売り上げ推移が落ち込まなかったと推測される。つまり、制度設計次第で「共存共栄」できる可能性が大きいのである。

 現在、ライドシェアの導入が決定したことで、運行や安全管理はタクシー会社の責任となっている。観光ニーズや高齢化により輸送ニーズは拡大する。タクシー会社が保有する車両や人材を副業・兼業に活用し、地域公共交通としてのライドシェアを維持・発展させていくことが望まれる。

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