ワイパーの基本構造が発明以来「100年間」変わらない理由
ワイパーの基本操作は、約100年前に米国人によって発明された。しかし、さまざまな自動車部品が進化を続ける一方で、このスタイルはこの100年間変わっていない。なぜだろうか。
誕生は約100年前
ワイパーは自動車には欠かせない装備である。ゴム製のブレードがガラス面を滑ることで視界を確保するワイパーの基本動作は、1903年にメアリー・アンダーソンという米国人によって発明された。
メアリーの発明は、雪の日にニューヨークの路面電車の運転手が視界を確保するために窓を開けたまま凍えているのを目撃したことがきっかけだった。メアリーの発明の最大の特徴は、「ブレードをガラス面に押し当てる」という仕組みにある。
ワイパーはガラス面の水滴を拭き取るものではない。厳密には、ガラス面に水滴を広げて薄く均一な水膜を作り、視界を確保するものである。ドライバーのなかには、ワイパーが視界に入ることを嫌い、ガラスに撥水(はっすい)加工を施して水滴を飛ばし、視界を確保する人もいる。
ただし、その効果は永久的なものではないので、定期的に撥水加工を施す必要がある。ワイパー作動時に撥水加工を施す製品もあるが、やはり効果は永久的ではない。
そんなワイパーだが、さまざまな自動車部品が進化を続けるなか、その基本構造は100年前と変わっていない。なぜだろうか。