トヨタ最終利益「4.5兆円」 グループ企業が存続危機の中、世間は本当に“一人勝ち構造”を容認するのだろうか

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トヨタ自動車の豊田章男会長がふたつの発言をし、世間の注目を集めた。

「EVシェア最大3割」の真意

2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 トヨタ自動車の豊田章男会長がふたつの発言をし、世間の注目を集めた。ひとつは2024年1月13日、都内で行われた200人の企業幹部や役員を前にした講演での発言、もうひとつは1月30日、トヨタグループの新ビジョンを発表する記者会見での発言だ。これらの発言について、豊田氏の真意を検証してみた。

 豊田氏は1月13日、都内で開かれた講演会で

「EV(電気自動車)市場シェアは最大3割、残りはハイブリッド車などで、エンジン車は必ず残る」

と発言し、トヨタはフルラインアップのマルチパスを目指すとした。世界的なEVシフトへの違和感の表れと受け止められたといえる。ブルームバーグはこの発言を、2040年には世界乗用車販売の75%、保有者の44%がEVになるという独自の予測(ブルームバーグNEF)とともに報じた。

 まず、この発言の根底には、トヨタグループにおける一連の認証不正にあったと思われる。開発期間の短縮や低コスト化の要求に応えるため、トヨタの過度な圧力が不正につながったとの見方もあることから、今回の発言は、今後、開発リードタイムにゆとりを持たせる方向でEV開発のスピードを緩和する意向の表れとも受け取れる。

 また、トヨタのEV販売目標は

・2026年まで:年150万台
・2030年まで:年350万台

となっているが、2030年の目標は新車販売台数の3割近くであり、これ以上EV販売を増やさないということなのだろう。

 この発言を報じた同社所有のメディア「トヨタイムズ」には、日本の自動車産業で働く550万人のうち、エンジン車に携わる人が多く、また、そうしたエンジンの開発・製造に携わる古くからのサプライヤーを守りたいという意思もあるようだ。

 講演会の前日に開催された東京オートサロン2024の初日、豊田氏は「新年のご挨拶」と題してエンジン車について語り、新たなエンジン開発プロジェクトを発表した。豊田氏のエンジン車に対する思いは、講演会での発言と軌を一にするものであり、今後もエンジン車の開発に取り組んでいくことは間違いないだろう。

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