トヨタ最終利益「4.5兆円」 グループ企業が存続危機の中、世間は本当に“一人勝ち構造”を容認するのだろうか

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トヨタ自動車の豊田章男会長がふたつの発言をし、世間の注目を集めた。

豊田氏が掲げた三つの公約

トヨタ自動車の本社(画像:AFP=時事)
トヨタ自動車の本社(画像:AFP=時事)

 豊田氏はこの記者会見で、次の三つの公約を掲げた。

1.自らが責任者としてトヨタグループ変革をリードすること
2.グループ17社の全ての株主総会に出席すること
3.グループ17社にマスタードライバー(車の仕上がりを最終的にチェックする人物)設置を指示したこと

豊田氏自身が述べているように、「1」については動きやすい立場にあり、「2」については各社の総会日程を調整するなどして実行に移しているようだ。「3」については、各社に委ねられるが、完成車メーカーである日野自動車やダイハツ工業以外の部品メーカー、例えばデンソーやアイシンなどがどのような人選を行うのかが注目される。

 部品メーカーは、自社製品を実際に車両に搭載して性能を確認する走行試験を実施するが、自動車メーカーから提示された仕様書などに基づいて実施するため、合否判定に近い要素が大半を占めることになる。

 豊田氏は記者会見で、マスタードライバーに求められる資質について、

「マスタードライバーの仕事は乗り味を決めることだけでなく、最後のフィルターとしての機能もあると思う」(トヨタイムズ)

としている。そんなフィルターの役割を果たす人物像が、グループ17社全てで合致するのだろうか。

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