ペダル付き原付「モペット」無免許逮捕にみる、車両自体の存在意義 業界はどのような対策をとるべきか?
警視庁新宿署は、新宿区のアルバイトの男を自動車運転死傷行為処罰法違反(無免許危険運転致傷)容疑などで東京地検に書類送検した。この事故はある意味で、昨今の自転車、電動アシスト自転車、電動二輪車にまつわる多くの問題を内包している。
法的認識のずれが引き起こす事故

警視庁新宿署は2024年1月18日、東京都新宿区のアルバイトの男を自動車運転死傷行為処罰法違反(無免許危険運転致傷)容疑などで東京地検に書類送検した。無免許でペダル付き原付「モペット」を運転し重傷事故を起こした疑い。事故は2023年7月に起きていた。
この事故はある意味で、昨今の自転車、電動アシスト自転車、電動二輪車にまつわる多くの問題を内包している。
事件の発端は、加害者が電動二輪車を購入し、街中を走らせていたことだった。問題の二輪車のメーカーやモデルは不明だが、電動によるペダルアシストではなく、フル電動で走行できるモデルだった。
加害者は、当該車がいわゆる原動機付き自転車一種に相当するもの、すなわち運転免許証のほか、ナンバープレートの登録や自賠責保険が必要なものであることを知らなかった。その結果、無免許運転をしていたのだった。
電動アシスト自転車に似ているが、実は電動二輪車というモデルが通信販売などで出回っていることは以前から問題になっていた。
モーターサイクルに詳しい人なら、これらの電動二輪車が運転免許を必要とすることは知っているだろう。また、出力に応じて原付一種または原付二種として登録する必要があることも容易に理解できる。一方、公道ではなく私有地内を走行するのであれば、運転免許もナンバープレート登録も不要というのも常識だ。