中央道の謎! 高井戸IC下り線に「入口」がない深刻理由 いったいどのくらい不便なのか
高井戸ICは2024年1月現在、中央道に出口はあるが入口はない。つまり、高井戸ICから中央道下り線に入ることはできない。なぜか。
反対運動が生んだ特殊構造

高井戸ICに下り線の入口がないのは、高井戸ICの立地と歴史的背景が関係している。
そもそも、中央道が計画・建設された当初、高井戸ICへの入口は設置される予定だった。しかし、地元住民や近隣の富士見ヶ丘小学校の反対により、出口のみの設置となった。
特に、1966(昭和41)年に入居が始まった烏山北住宅の住民の反対が強かった。中央道は烏山北住宅の真ん中をとおる計画であったが、住民には何の説明もなかったため、1970年7月に建設反対運動が起こった。
この運動によって中央道の建設は3年4か月の中断を余儀なくされ、結局、近郊の騒音や環境汚染を防ぐために高速道路上にシェルターを設置したり、富士見ヶ丘小学校の校舎からの騒音対策を強化したりすることで問題は解決した。しかし、烏山北住宅や富士見ヶ丘小学校との話し合いによって、高井戸ICは出口のみ設置されることになった。
高井戸ICの出口設置も当初の計画から大幅に遅れ、中央道の全線開通から4年後の1986年3月に運用開始となった。つまり、中央道が開通した当初、高井戸ICは中央道からはアクセスできなかったのである。
半世紀以上前のゴタゴタの影響はいまだに残っており、高井戸ICは下り方面への入口がない不便極まりない構造になっている。