EVの普及は「車両」が先か? それとも「充電インフラ」か? 各国悩ます根深いジレンマ、改めてデータから考える

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EVの車載バッテリーを充電するには、専用の充電器が必要だ。鶏(EV)が先か、はたまた卵(充電器)が先か。

充電器不足が市場を制約

EVのイメージ(画像:写真AC)
EVのイメージ(画像:写真AC)

 2023年の世界自動車販売台数は前年比7.4%増の8650万台になると予想され、そのうち1410万台が電気自動車(EV)で、バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド電気自動車(PHV)で構成され、市場シェアは16.3%となる。

 しかし、現在のBEVは、充電インフラ、航続距離、バッテリー寿命、価格・修理費などの面で、内燃機関車(ICE車)に比べて課題を抱えており、そのため、中国や米国では、嫌気してPHVやハイブリッド車(HV)を選ぶ顧客が増加している。

 EVの車載バッテリーを充電するには、専用の充電器が必要だ。

「鶏(EV)が先か? 卵(充電器)が先か?」

時期により差があるが、おおむね鶏が先行する。

・黎明期:充電器がなければ、誰もEVを買わない(ほぼ同時)
・初期市場:EVの品ぞろえは増え、政策的支援を受けて、充電器の設置も進む(鶏が少し先行)
・普及期:世界はこの段階に入りつつあり、世界各国で充電器が不足している(鶏が先行)

つまり、充電環境が充足することは「ほとんどない」だろう。

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