EVの普及は「車両」が先か? それとも「充電インフラ」か? 各国悩ます根深いジレンマ、改めてデータから考える
EVの車載バッテリーを充電するには、専用の充電器が必要だ。鶏(EV)が先か、はたまた卵(充電器)が先か。
持続可能な公共充電ステーション

調査会社マーケット・リサーチ・フューチャーは
「EV需要の増加が充電ステーション市場の成長をけん引する」
と分析する。つまり、鶏が先だ。
そして、EU27か国の充電基本計画によると、自動車のCO2排出量を55%削減するためには、2022年の46万5000基を2030年までに最大680万基まで増やす必要があるという。また、マッキンゼーは、2022年の米国充電器の年間平均利用率7.5%を、2030年までに約20%まで高める必要があると見積もっている。
充電ステーションが持続可能であるためには、補助金なしで採算が取れることが大前提となるが、マッキンゼーによれば、公共充電ステーションから利益を生み出すことは依然として難しいものの、利益を生む方策は、
・利用率の向上
・戦略的価格設定
であり、そのためには
・集合住宅が多い都市部や交通量の多い幹線道路沿いにステーションを設置する
・電気料金の変動制を導入する(通勤時間帯は料金を高くするなど)
などで利用を促進し、平準化することが有効という。電力単価を下げて利用率を上げる戦略は、台数が増えても利益率が下がる可能性がある。
1月5日、ロイターは「北京市はEV普及にともなう電力需要管理のため、車両と送電網の統合を目指す」と報じた。
非営利のグローバル研究機関・世界資源研究所の研究者によると、2035年までに300万台以上のEVが普及すると、
「EV充電によりピーク時の電力需要が12%近く増加し、発送電システムを圧迫する可能性がある」
と説明している。EVのバッテリーを電力網に接続し、再生可能エネルギーの需要を平準化するシステム(V2G:Vehicle-to-Grid)は、すでに欧米で実用化されている。