タクシー運転手試験「20言語対応」という愚策 安易な多言語化は「乗客の危険」を招くだけだ

キーワード :
警察庁は、タクシーやバスなど旅客を輸送する自動車の運転に必要な「第2種運転免許」について、外国語による試験を認めることを決めた。しかし、その拡大は疑問が残る。

交通業界への新展望

外国人タクシードライバーのイメージ(画像:写真AC)
外国人タクシードライバーのイメージ(画像:写真AC)

 警察庁は、タクシーやバスなど旅客を輸送する自動車の運転に必要な「第2種運転免許」について、外国語による試験を認めることを決めた。

 運転手不足に悩む業界団体からの要望に応えたもので、警察庁は20か国語に翻訳したサンプル問題を各都道府県警に配布し、試験の実施を促す方針だ。

 国土交通省は、外国人労働者の在留資格「特定技能」に「自動車運送業」を加えることを検討している。警察庁の動きはこれを受けたものだが、安易な多言語化には懸念も多い。

 現在、「第1種運転免許」については、すでに外国語での受験が可能となっている。運転免許試験は各都道府県警の管轄であるため、対応言語はさまざまだ。

 例えば東京都は英語のみを導入。千葉県では英語に加えて中国語での受験も可能だ。さらに神奈川県では

・ポルトガル語
・ベトナム語

の試験を導入している。北海道では韓国語、京都府ではタガログ語の試験を導入している。

 また、各都道府県では外国語対応の自動車教習所も増えている。在留外国人の増加にともない、要望を踏まえて拡充されている。

全てのコメントを見る