修理が難しい「EV」「PHV」 この問題に対する部品メーカーの回答とは

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駆動系が電動化されたクルマでは、深刻な問題が浮上している。それは、バッテリー、インバーター、コントロールユニット、電動アクスルといった重要部品の修理が、ディーラー以外の独立系整備工場では困難であるということだ。

メーカー囲い込みからの脱却

ZFのウェブサイト(画像:ZF)
ZFのウェブサイト(画像:ZF)

 そんななか、2023年11月末に大きな動きがあった。それは、世界有数の自動車部品メーカーであるドイツのZFが、アフターマーケット向けに電動アクスルのリペアキットの提供を開始するという発表だった。

 ZFはかつてトランスミッションで名をはせた、近年は電動アクスルユニットを多くの自動車メーカーに供給している名門だ。リペアキットの特徴は、電動アクスルのなかの特に消耗が激しいとされる箇所の補修に特化していることだ。具体的には、

・冷却クーラント液漏れに対する締結部の交換
・パーキングロックの不具合修理
・ユニットマウントの交換
・速度および温度センサーの交換
・ドライブシャフトの交換

である。いずれも交換に必要なパーツ、特殊工具、留め金具類など必要なものが全て同梱(どうこん)されている。

 取り扱うには、指定の高電圧取り扱いトレーニングを修了していることが必須であり、バッテリーから電源を切り離すためには、DGUV-209-093(ドイツ電気自動車高電圧システム取扱者法規/ドイツの工業規格であるTUFが定める法規)のレベル2Sを受講する必要もある。ちなみに、これらの法規に関する講習は、日本のTUF支部が行っている。

 これまで、電動車の修理や点検は、事実上メーカーによって囲い込まれていた。しかし、ZFのリペアキットが供給されたことで、対応できる独立系整備工場が増加することが明らかになった。また、作業従事者に必要な条件が広く知られるようになったことは、ユーザー側の選択肢の幅を広げるという意味でも非常に大きい。

 現在、メルセデス・ベンツをはじめ、ドイツの多くのメーカーがZFの電動アクスルを採用しているが、同社は今後、リペアキットの適用モデルを拡大していく予定だ。

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