数減らす列車の「動力集中方式」 世界的に「分散式」へなぜ変化? なおも集中式貫く国も
日本の電車や気動車で主流の「動力分散方式」が世界で広がっている。機関車牽引の「動力集中方式」のデメリットが顕在化してきたためだ。しかし、そう劇的に広がるわけでもない。それには数の問題のほか、その国ならではの事情を抱えるケースもある。
「動力集中方式」への意地? フランスTGVが採用し続けるワケ

当初、フランスも動力分散方式への移行を検討し、メーカーのアルストムは動力分散方式のAGVを開発した。ところが高速新線が開業した1981年以降、フランス国内の利用者数は右肩上がりに増え続け、列車本数の増加だけでは対処しきれなくなった。
その結果、開発されたのが現在の主力である2階建てのTGV-Duplexであるが、この状況下では平屋構造のAGVを導入することはほぼ不可能で、AGVの2階建て仕様も検討されたものの機器を搭載するスペースを生み出せず断念、AGVが本国フランスで日の目を見ることはついになかった。
もう一つのインフラ側の課題として、フランスはホームの高さが低く、バリアフリー対策として各駅のホームを一つひとつ車体に合わせて嵩上げすることは非常に困難であった。それなら2階建て車両の1階部分に入口を設けることで、結果として低床車を導入するのと同じ効果を生み出そう、という結論に至った。
こうした諸般の事情によって、高速列車へ動力分散方式を採用する道が自然と閉ざされてしまったフランスでは、次期型TGVも動力集中方式で開発が進められている。誕生以来、ずっと動力集中方式と連接式にこだわり採用し続けてきたフランス国鉄、そしてメーカーのアルストムの意地のようなものを感じなくもない。