「商用EV」普及のカギは何か? 寒冷地「充電問題」とその解決策、メルセデス・ベンツ「eアクトロス」を例に考える

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今後、EVの普及を促進するためには商用EVの需要拡大が不可欠である。そのためには何をすべきか。メルセデス・ベンツ「eアクトロス」を例に考える。

日本の商用EV進化、CJPTの野望

寒冷地の商用車(画像:写真AC)
寒冷地の商用車(画像:写真AC)

 今後、電気自動車(EV)の普及を促進するためには、何よりも商用EVの需要拡大が不可欠である。これが日本のEV政策の重要課題になりつつある。このことは、最近、自動車メーカー各社が相次いで発表した商用EV開発促進プロジェクトを見てもわかる。

 念のため、現在の日本の自動車メーカーと政府による商用EV推進策を挙げておく。

 ホンダは2023年6月からヤマト運輸と共同で軽EVを使った実証実験を行っている。2023年11月からは新たなフェーズとして、交換式バッテリーを採用したモデルによる実験を開始している

 2023年5月に広島で開催された先進7か国(G7)で発表された、トヨタ、ダイハツ、スズキが共同開発した軽商用EV。これはトヨタの主導で日野といすゞの3社が提携した新会社CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジー)のプロジェクトの一環でもある。

「商用車の電動化促進事業」は経済産業省と国土交通省の連携事業で、本年度の国家予算から135億9900万円を確保している。小口配送商用EVやEVタクシー導入に当たっての補助金支援事業である。

 今後、こうしたさまざまなプロジェクトを通じて、実用性に優れた商用EVが実用化され、普及していくだろう。しかし、普及することでその数の少なさからこれまで大きな問題視されてこなかった問題が顕在化することも懸念される。それらは何か。EVに最適な環境でバッテリーを運用するためのノウハウである。

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