日産は「中国EV市場」で逆襲できるか? 新戦略「DNA+」にみる、新型10車種が握る命運とは

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日産自動車は中国での販売不振に苦しんでおり、今後中国事業をどのように展開するかが経営戦略上重要なファクターとなっている。今後を読み解く。

中国撤退が迫りつつある現実

中国の街並み(画像:写真AC)
中国の街並み(画像:写真AC)

 日産が今後の中国事業で取るべき方向性は次のとおりだ。

・余剰ガソリン車の生産規模縮小または譲渡
・EV事業の東風汽車有限公司への円滑な移管

こうした選択肢の先には、中国市場からの撤退が迫っている。

 前述のDNA+によると、日産は中国を新たな輸出拠点とする戦略に転換し、中国事業の存続を目指しているようだが、東風汽車有限公司が最近急増している中国からロシアへの輸出に便乗できるはずもなく、輸出先は東南アジアをはじめとするグローバルサウスとなりそうだ。

 DNA+に登場する10車種の新型車が、日産の中国事業の命運を握っていることは明らかであり、まさに社運を賭けた一大プロジェクトである。2026年までにこれらの新型車が成功しなければ、日産の中国撤退はさらに現実味を帯びてくる。

 日産にとって、北米市場に次ぐ事業依存度を誇る中国市場からの完全撤退は、ブランド力のさらなる低下を招くことは必至であり、今後数年で正念場を迎えることになる。

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