日産は「中国EV市場」で逆襲できるか? 新戦略「DNA+」にみる、新型10車種が握る命運とは
					日産自動車は中国での販売不振に苦しんでおり、今後中国事業をどのように展開するかが経営戦略上重要なファクターとなっている。今後を読み解く。				
				
				成長の押し下げ要因

日産の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は、11月9日までの中間決算発表の席上、「厳しい環境が続く中国事業を再び成長軌道に乗せたい」とする一方、電動化スケジュールなどの戦略をさらに議論する必要があるとして、次期中期経営計画の公表を見送った。
日産の中国事業は実に難しい選択を迫られており、その状況は決算資料にも反映されている。日産の2023年上半期(4~9月)の決算を前年同期比で見ると
・売上高:30%増
・営業利益:115%増
・当期純利益:359%増
と、いずれもプラスであったのとは対照的に、販売台数はわずか3%増と小幅だった。
また、各地域の販売台数と前年同期比(カッコ内)の比較は次のとおりだ。
・中国:35万9000台(-24.4%)
・北米:62万8000台(+39.2%)
・日本:22万8000台(+10.7%)
・欧州:15万8000台(19.3%)
・他:24万9000台(+6.5%)
中国を除く地域合計は前年比23.4%で、中国での販売不振が全体の成長を下押ししている。また、中国での売上比率は前年の32%から22%へと急落しており、中国事業の強化が急務であることは間違いない。市場シェアは4.4%から3.3%へと1ポイント低下したものの、通期販売台数80万台の見通しには疑問が残る。