九州北部の経済発展を阻害? 「福岡空港の大混雑」という直視すべき現実

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福岡空港は市街地に隣接しており、アクセスは便利だが、運営上の制約も大きい。特に、騒音問題を避けるために運用時間が午前7時から22時までと制限されていることが、しばしば欠点として挙げられる。この制限により、出発遅延や門限を過ぎると飛行機が引き返すなどの問題が頻発している。

北九州空港・佐賀空港のポテンシャル

西九州新幹線(画像:写真AC)
西九州新幹線(画像:写真AC)

 そこで、福岡空港を補完する役割が期待されているのが、

・北九州空港
・佐賀空港

である。

 しかし、両空港の利活用は、まだ限定的だ。2023年11月現在、国際線では、北九州空港がソウル便(毎日運航)、佐賀空港が上海便(月・金)、ソウル便(月・水・金・日)、台北便(日・木)の計3路線を運航しているだけだ。

 両空港は福岡空港の混雑緩和に重要な役割を担っているが、現状ではその機能を十分に果たしていない。これは主に、両空港と福岡市間のアクセスが不十分なためである。

 北九州空港はJR小倉駅から約15km離れており、空港までの鉄道路線が整備されていない。空港から最寄りのJR朽網(くさみ)駅まではバスで17分の距離にあり、空港アクセスの役割を果たせていない。

 そのため、主要な交通手段はバスでとなっている。空港からバスを利用した場合の所要時間は、

・小倉駅まで:最速33分
・福岡市内の天神・博多まで:70~90分

だ。

 一方、佐賀空港も主要な交通手段はバスだ。福岡市内の天神・博多まで直通するバスは上海便の運行日のみに運行され、所要時間は

「100~120分」

となる。その他の曜日はJR佐賀駅から高速バスで天神まで80分、在来線で博多まで特急を利用して40分かかる。

 福岡空港が地下鉄を利用して博多駅まで最短6分(国内線ターミナルから)であることを考えると、利便性は極めて低い。

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