飛行機の着陸後、機体が「完全に停止するまで」席を立ってはならないワケ
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離陸後、航空機が高度約3000mまで上昇すると、シートベルト着用サインは消灯することが多い。楽をするためにブランケットの下でこっそりシートベルトを外す……という人もいるかもしれない。しかし危険である。
機体停止後も要警戒

最後に、着陸後のベルトオフサインのタイミングは、機体が完全に停止してからである。日本の国内線ではあまり見かけない光景だが、機体が着陸して誘導路を進んでいる最中に席を立ち始めるのは、海外ではよくあることだ。
離陸前と同様、着陸後のシートベルト着用サインは、急ブレーキや揺れによる荷物の落下などによるケガを防ぐためのものだが、これに加えて
「保安面や緊急を要するメディカル」
のために長時間点灯している場合もある。警察の護衛が必要な乗客がいるかもしれないし、医療チームがゲートで待機しているかもしれない。
このような場合、ひとりが席を立つと周りの人も立ち上がり、最終的にCAだけが着席することが多い。
「まだ機体は移動中です、席に座ったままお待ちください」
という機内アナウンスを筆者もよく行っていた。
フライト中に乱気流に遭遇することはめったにないので、今回も大丈夫だろうと思いがちだが、気象データや機内システムで予測できない揺れが絶対に起こらないという保証はない。最悪の事態が起きたとき、シートベルトの着用は生死を分けることになる。
実際に体験してみると、起こるのは本当に一瞬のことで、1分先でも10秒先でもない。長時間のフライトでは、シートベルトが少しきつく感じることもあるかもしれないが、フライト中は必ず腰の低い位置で締める習慣をつけることを強くお勧めしたい。