ライドシェア反対派が主張する「タクシーは安全」は本当か

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一般ドライバーが自家用車で乗客を運ぶ日本版ライドシェアが4月から解禁される。ライドシェアをめぐる議論は社会全体を巻き込み、賛否両論が交わされている。この賛否両論について検討する材料は十分すぎるほどある。

過熱するライドシェア議論

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 一般ドライバーが自家用車で乗客を運ぶ日本版ライドシェアが4月から解禁される。ライドシェアの導入には一長一短あるし、正直なところ筆者(島崎敢、心理学者)にもどうするのが一番よいかよいのかよくわからない。

 ただ、この「一長一短」に関する検討材料は多いに越したことはない。そこで本稿の前半では、反対派の人が真っ先に掲げる

「安全性の問題」

について、事故統計や筆者自身の経験から考えてみたい。また、後半では、

「利用者とドライバーの情報の非対称性」

という心理学的なトピックについて考えてみたいと思う。

タクシーの事故件数の多さ

ライドシェアのイメージ(画像:写真AC)
ライドシェアのイメージ(画像:写真AC)

 ライドシェアに反対する人の多くが、ライドシェアでは安全性が保てないといっているので、

「タクシーは一般ドライバーが運転する車よりも事故率が低い」

と思っている人が多いかもしれない。しかし、さまざまな事故統計は逆の事実を示している。タクシーの走行距離あたりの事故件数は、一般の乗用車の2倍程度多いのだ。

 それではタクシーは危険なのかというと、そうともいい切れない。タクシーは事故リスクが低い高速道路や幹線道路よりも、事故リスクが高い

・繁華街
・住宅街

などをよく走るし、客のリクエストで知らない道を走ることも多い。ときには客の“むちゃぶり”やプレッシャーに耐えなければならず、悪天候や深夜など条件の悪いときも走らなければならない。

 つまり、タクシーには

「事故リスクが高くなる事情」

がたくさんある。だから、一般ドライバーがライドシェアを始めて、タクシーと同じように走ったら、事故率はタクシーよりも高くなるのかもしれない。

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