ライドシェア反対派が主張する「タクシーは安全」は本当か
1種免許と2種免許の差異

「タクシードライバーは2種免許を持っている」
というのも、タクシーは安全だとする理由としてよくあがる。確かに2種免許取得は1種免許取得より難しい。検定コースは1種免許のものより長いので減点機会は増えるし、合格点も1種免許より10点高い80点に設定されている。
しかし、1種免許との課題の違いは
「鋭角狭路」
くらいであり、それ以外は特別なことをするわけではない。要は教習所どおりの運転が正しくできていればよいのだ。
実は筆者も2種免許を持っているが、生まれて初めて車を運転してからわずか数十時間の運転経験で受けた1種免許の試験より、3年以上の運転経験を持って臨んだ2種免許の試験の方が簡単だった。
2種免許を持っているドライバーは少しハイレベルなのは確かかもしれないが、普通の人が真面目に練習すればいつかは合格する試験である。そして、試験に合格してから時間がたった後も「少しハイレベル」が保たれている保証はない。
タクシー会社の意義

2種免許の取得はプロのタクシードライバーの“最低条件”である。
多くのタクシー会社では、2種免許を持った人が入社してきても、いきなり一人前のタクシードライバーとしては扱わない。新人ドライバーは社内で運転や接客の研修を受け、社内基準に合格して初めてタクシードライバーとして独り立ちする。
独り立ちした後も定期的に研修に参加したり、運転チェックを受けたりする必要がある。つまりタクシー会社は
「組織的にドライバーの能力維持に努めている」
のだ。こういった取り組みは少なからずタクシーの安全に貢献しているはずである。
このほか、タクシー会社は
・定期的な車両の点検整備
・労働時間の管理
・健康とアルコールのチェック
・事故が起きたときの対応や補償
などを行っている。こういった組織的に安全を担保する機能は、ベーシックなライドシェアの仕組みにはない。ライドシェアを導入するなら、これらをどうするのか、考えておく必要があるだろう。