北陸新幹線延伸で「飛び地路線」誕生も、富山・福井・石川の対応が全然異なるワケ

キーワード :
, , , , , , ,
富山県を走るJR西日本の城端線と氷見線が第三セクターのあいの風とやま鉄道に移管される。“飛び地路線”では利用促進が難しいためだが、石川、福井の両県に同じ動きは見えない。

敦賀延伸で越美北線が飛び地路線に

新緑の鉄橋を走る越美北線(画像:写真AC)
新緑の鉄橋を走る越美北線(画像:写真AC)

 北陸新幹線金沢市延伸では、金沢以東の北陸本線経営分離で富山県の城端線、氷見線、石川県の七尾線(津幡〈つばた〉~和倉温泉間59.5km)が飛び地になった。2024年3月の福井県敦賀市延伸後は敦賀市~金沢市間の経営分離で福井県の越美北線(越前花堂~九頭竜湖間52.5km)が加わる。

 JR西日本によると、4路線の2022年度輸送密度(1km当たりの1日平均輸送人員)は、

・城端線:2481人
・氷見線:2157人
・七尾線:3428人
・越美北線:318人

だ。いずれも赤字路線だが、越美北線を除けば一定の利用客がいる。やり方次第で利用を伸ばせると考えるのは、城端線や氷見線の沿線自治体だけでない。

 福井県内は敦賀延伸後、三セクのハピラインふくい(福井市)が北陸本線を受け継ぐ。杉本達治知事は2020年、福井県議会でハピラインふくいと

・えちぜん鉄道(既存三セク)
・福井鉄道(民間)

との一体化について新幹線延伸10年後に向けて検討する考えを示している。だが、越美北線に関して福井県地域鉄道課は「具体的な話が浮上していない」という。

 石川県内は金沢以東の北陸本線を三セクのIRいしかわ鉄道が引き継ぎ、敦賀延伸後は金沢以西も運行する。しかし、石川県並行在来線対策課は七尾線を三セクに組み込む議論について

「全くない」

と話した。

全てのコメントを見る