沖縄「鉄軌道構想」 交通網の発展でむしろ過疎化が進む恐れはあるのか?

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沖縄北部は過疎化という課題を抱えており、その対策として、沖縄南部から北部まで縦断する鉄軌道構想計画が進められている。

沖縄鉄軌道計画の課題点と留意点

沖縄本島(画像:写真AC)
沖縄本島(画像:写真AC)

 沖縄県発行の「おきなわ鉄軌道ニュース第7号」によると、課題・留意点は次のとおり。

・システム、ルート、構造の検討が必要
・環境、景観への影響
・採算性や費用便益分析の精密化
・鉄軌道の整備方法の検討
・公共交通の利用環境づくり
・その他(観光客の受け入れ体制構築、各地域の魅力向上など)

 以上のような課題や留意点から、気候や採算性。また、鉄軌道開発による自然景観への懸念、開発後の利便性、整備計画などに焦点が当てられていることが理解できる。

 公共交通の利用環境の促進については、長距離・大型輸送の幹線から小型・短距離の支線まで、フィーダー輸送も視野に入れた利便性の高いネットワークの構築が検討されている。また、モビリティ・マネジメントにも触れており、車社会からの脱却を促し、公共交通機関の利用や徒歩を奨励する方策を検討している。

しかし、他の項目では「観光客の受け入れ体制構築」や「各地域の魅力向上」には触れているが、ストロー現象については触れていない。ストロー現象とは、「交通網の発達により、小都市の人や物資が大都市に吸い寄せられてしまう現象」を指す。

 沖縄県のパブリックコメントでは、「鉄軌道導入に反対 → 理由は北部の過疎化が促進する。若者は都市部の便利な所に住みたがる。(本四架橋〈本州四国連絡橋〉で四国の人口は増えたのか?)」との意見があった。沖縄鉄軌道関係等意見交換会の見解では「以前聞いた学者の話では、所要時間1時間程度の距離であれば、ストロー効果は大きな問題にはならないと聞いている。」とされる。

 真偽のほどはさておき、本四架橋の開通によって香川県内の野菜の出荷額が増えた例もあり、過疎地の発展に寄与する

「逆ストロー現象」

が起きる可能性は大きい。つまり、北部振興策として鉄軌道を導入する際には、ストロー現象や逆ストロー現象についてわかりやすく情報提供し、事前に対策を検討することが重要である。

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