沖縄「鉄軌道構想」 交通網の発展でむしろ過疎化が進む恐れはあるのか?
沖縄北部は過疎化という課題を抱えており、その対策として、沖縄南部から北部まで縦断する鉄軌道構想計画が進められている。
沖縄に鉄軌道が必要なワケ

国会関係資料によると、沖縄県に鉄軌道が必要な理由は次のとおりである。
・慢性的に渋滞が発生している
・沖縄県北部地区は過疎地のため振興策が必要
・戦前に県営「沖縄軽便鉄道」が運行していたが、戦争により破壊された
・基幹的な交通システム(鉄軌道)が唯一存在しない県である
沖縄は南北に長い島であり、人口の8割が中南部の大都市圏に住んでいるため、北部での観光が課題となっている。また、沖縄軽便鉄道は第2次世界大戦中に破壊され、米国の占領下では復興よりも道路整備に重点が置かれた。
戦後、沖縄では道路需要が優先されるという政府の見解が繰り返し述べられてきた。鉄軌道導入の議論が本格化したのは2010年代に入ってからだ。
沖縄県が策定した「沖縄21世紀ビジョン」では、「沖縄本島内には、南北を縦断する鉄軌道等の新たな公共交通システムが導入され、これを幹線として、路線バスやコミュニティーバスが走っている」という長期ビジョンが掲げられた。
同年、日本政府は「鉄軌道の可能性を含めた将来の公共交通システムの在り方について検討を行うために必要な沖縄振興総合調査費」のための予算を計上した。
一方、2014年には沖縄県で沖縄鉄道計画がスタートし、県内全世帯にアンケートを実施して意見を集約した。そして、自然景観と採算性の両面から賛否両論が進められた。
約6万1000件のパブリックコメントも寄せられた。コメントのなかには、
・ストロー現象
・フィーダー交通ネットワーク
に関する記述もあった。次ページで簡単に紹介する。