1970年代、東京・青山に新幹線「新東京駅」を作るウワサがあった!

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新幹線が西に延伸され、並行して東北・上越新幹線やリニアモーターカー構想が議論されていた1970年代、「青山」に新東京駅を作るという計画が話題になったことがある。

新東京駅の具体的な内容

迎賓館上空より都心の風景・赤坂御所・青山周辺(画像:写真AC)
迎賓館上空より都心の風景・赤坂御所・青山周辺(画像:写真AC)

 今でも青山の繁華街に空き地はないが、それは当時も同じだった。なら、青山のどこに駅を作る土地があるのか……それがあったのだ。当時、東宮御所があった赤坂御用地である。

 赤坂御用地は現在でも秋篠宮邸などがあり、確かに広大な土地である。しかし、皇室の御用地を駅のために使用するのは考えにくい。

 それがまことしやかに信じられたのは、千葉県成田市の御料牧場が閉鎖され、成田空港の用地として移転したことが影響しているようだ。御用地も御料牧場も、その歴史は明治時代からだ。そうであれば、公共用地として移転させることは容易だと考えられたようだ。

 また、間組(現・安藤ハザマ)が所有していた土地が三菱地所に買収され、現在の青山ツインタワーがある場所であったことも、青山に新東京駅を建設するといううわさをより現実的なものにした。

 当時、うわさされていた新東京駅の具体的な内容は次のようなものだった。

・すべて地下駅になる
・東北・上越新幹線ではなくリニアモーターカーの駅になる

 現在でも青山に新幹線の駅はなく、計画されている形跡もない。だが、本当に根拠のないうわさだったのだろうか。

 その答えのヒントは、前述の『週刊大衆』に掲載された国鉄広報部のコメントにある。国鉄は、青山に新幹線の駅ができるといううわさについて、「少しも聞いていない」とコメントし、さらに次のように述べた。

「東北新幹線と上越新幹線が両方とも大宮で結ぶというんで、それを新宿につなげたい、新宿にしたいという意向はあるんだが、まだ決定していない」

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