千葉県「ユーカリが丘」という名の希望 住みたい街ランキング「137位」も、若い移住者が増え続ける納得理由

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開発から半世紀を超えてもなお、新たな住民を引き寄せているエリアがある。千葉県の北部に位置する佐倉市にあるユーカリが丘である。

成長管理型の街づくり

ユーカリが丘駅の位置(画像:OpenStreetMap)
ユーカリが丘駅の位置(画像:OpenStreetMap)

 山万には独自の将来計画があった。分譲当初から全物件を一度に販売せず、年間の供給戸数を制限した。これにより、同社は38年間にわたる成長管理型の街づくりを実践し、2005(平成17)年には「ユーカリが丘ハッピーサークルシステム」を導入して、住民の新陳代謝を促すシステムを確立した。

 この制度では、ユーカリが丘の住民が山万の新築住宅に引っ越す際、評価額の100%で自宅を買い取ってもらえる(売却価格は通常、市場価格の70%程度)。買い取られた住宅はリフォームされ、通常の販売価格よりも安い価格で再販売され、新住民の流入を促す。この取り組みにより、高齢化した住民が都心のマンションに移り住み、一方で、同エリアには若い新住民が入ってくるという循環が生まれている。

 単独の企業が管理運営を担うことで、住民のニーズの把握が細かく行われている。ユーカリが丘では、数年ごとに全世帯を対象としたアンケートを行い、中長期の街づくり計画を策定している。

 このアンケート結果に基づき、1999年に京成ユーカリが丘駅近くに保育所が開設された。駅利用者の利便性を優先する考えから、当初から開所時間は午前7時から22時までとしている。

 共働きの増加にともない、世の中では近年、保育所の数を増やす必要が出ているが、ユーカリが丘は24年前からすでにこの取り組みを始めていたのである。

 1999年当時、佐倉市には待機児童がいなかったため、保育所は当初、認可外として運営されていた。しかし開園1年目ですぐに定員いっぱいになり、その後、2004年に

「千葉県初の認可保育所」

として認定され、施設は拡張されていった。山万の読みは正しかったのだ。ユーカリが丘は現在、世代交代が着実に進み、持続可能な街となっている。

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