千葉県「ユーカリが丘」という名の希望 住みたい街ランキング「137位」も、若い移住者が増え続ける納得理由

キーワード :
, ,
開発から半世紀を超えてもなお、新たな住民を引き寄せているエリアがある。千葉県の北部に位置する佐倉市にあるユーカリが丘である。

テレワーク対応も先取り

山万のウェブサイト(画像:山万)
山万のウェブサイト(画像:山万)

 ユーカリが丘は現在、世代交代が順調に行われ、持続的な街としての姿を保っている。ところで、この街の将来ビジョンはどのように設定されているのだろうか。特に注目したいのは、2018年から始まるユーカリが丘駅北口の再開発計画だ。

 この再開発では、30年後を見据えた戦略的な取り組みが目立つ。その一例がビジネス街区の構想だ。

 ちまたではコロナ禍の影響でテレワークの導入が進んでいるが、ユーカリが丘はこれすら先取りしていた。通信技術の発達や働き方の変化を見越して、テレワークの普及を前提としたビジネス街区の整備を計画していたのだ。また、文化交流拠点の設計や次世代モビリティの導入などの施策も進められており、住みやすく働きやすい街として、常にアップデートを続けている。

 もちろん、そのビジョンはすぐには受け入れられたわけではない。開発の初期段階では、短期的な利益を追求して途中で手を引くのではないかという疑念もあった。にもかかわらず、ユーカリが丘は現在、ライフステージに応じて長く暮らせる街として信頼を得ている。ユーカリが丘では親世帯と子ども世帯が共存し、さらには独立した子ども世帯が戻ってくるケースも見られる。

 繰り返しになるが、「住みたい街ランキング」の「住みたい街」の魅力や価値が、数十年後も維持されているかどうかははなはだ疑問である。そんななか、ユーカリが丘のような持続可能な街の成功例は、 他の都市やデベロッパーにとって大きな示唆を与える。そして何より、人の“息吹”を感じさせてくれるのだ。

全てのコメントを見る