池袋駅前は今後良くなる? そごう・西武ストで再認識された「駅前商業」の重要性と代替不可能な価値

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JR池袋駅東口に位置する西武池袋本店の従業員のストライキが決行され、大きな話題となった。従業員には通行人や地元の人などから予想以上に理解や応援の声が寄せられ、改めて街の玄関口である「駅前商業の重要性」が認識された。

ストで再認識された重要性

西武池袋本店(画像:写真AC)
西武池袋本店(画像:写真AC)

 7月31日、JR池袋駅東口に位置する西武池袋本店の従業員のストライキが決行され、大きな話題となった。

 ストライキの原因となったそごう・西武の売却問題は、売却後の西武池袋店に大手家電量販店が入居する計画が露呈。豊島区長がそれに異論を唱え、セブン&アイHDの株主が差し止めの仮処分を東京地裁に申請するなど、混迷を極めていた。

 ストライキ翌日の8月1日には、そごう・西武はセブン&アイHDから米国投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループへ売却され、売却の停止は達成されなかった。

 しかし、ストライキを実行した西武池袋本店の従業員には通行人や地元の人などから予想以上に理解や応援の声が寄せられ、改めて街の玄関口である

「駅前商業の重要性」

が認識された。

 日本各地の中心都市の駅前には百貨店が多く存在している。1980年代に各地で駅前再開発が本格化、核施設として百貨店が多く導入されたためである。当時、百貨店は都市型商業の“花形”だった。しかし、モータリゼーションの発達によって郊外開発が活発化すると、駅前商業の求心力は失速する。

 百貨店は長引く景気低迷に加え、消費者のライススタイルの変化に対応できずに弱体化した。そごう・西武のように、かつてのライバル同士で経営統合し、経営の効率化、事業の強化が図られたが、不振を打開することができないでいる。

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