物流危機を理解できない岸田内閣! 再配達削減で「置き配ポイント」付与というピンボケ提案、もはや怒る気すらおきません

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政府が調整している2024年問題の緊急対策案が、明らかになった。その内容はもはや“机上の空論”としかいいようがなく、久しぶりに椅子から転げ落ちそうな感覚を味わった。

失笑を禁じ得ない提案

宅配ドライバーのイメージ(画像:写真AC)
宅配ドライバーのイメージ(画像:写真AC)

 トラックドライバーの残業規制強化にともなう物流業界の労働力不足に関する「2024年問題」に対処するため、政府が調整している緊急対策案が10月2日、明らかになった。

 主な内容は次のとおりだ。

1.運送業者への荷主からの不当な要求を事前に防止するため、特に荷物が集中する11月と12月を集中監視月間とする。
2.適正な運賃確保や賃上げに向けた関連法案を次期通常国会(2024年1月)に提出する。
3.トラック輸送からの転換を進め、鉄道や船舶の輸送量を今後10年でそれぞれ倍増する。

「1」はともかく、「2」は次の通常国会の結果次第、「3」は今後10年うんぬんということだが、いったいどこが緊急なのか。よくもまあ、こんな理解に苦しむ案を出してきたものだと筆者(柿内季之、トラックライター)はあきれたが、実はこの3案のほかに、政府が「緊急対策案の柱」として挙げていた案があった。

 運送事業者の負担になるといわれる不在時の再配達を防ぐため、玄関先への「置き配」を推進するというものだ。つまり、置き配や余裕を持った配達日を指定した顧客にポイントを付与する実証事業を実施するというものだ。

 率直にいって、このような提案を喜々として提出した政治家や官僚たちは、本当に2024年問題を理解しているのだろうか、と失笑を禁じ得なかった。

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