物流危機を理解できない岸田内閣! 再配達削減で「置き配ポイント」付与というピンボケ提案、もはや怒る気すらおきません
政府が調整している2024年問題の緊急対策案が、明らかになった。その内容はもはや“机上の空論”としかいいようがなく、久しぶりに椅子から転げ落ちそうな感覚を味わった。
「ドライバー不足 = 賃金不足」

さらに、ポイント制というのも意味不明だ。荷主も受取人も求めているのは、
「安全で確実な荷物の配送」
である。政府は、マイナポイントが一定の効果を上げていることに浮かれているのかもしれない。そもそも、これらの施策は法改正の最大の目的であったドライバーの労働環境の改善とはほとんど関係がない。
では、どのような対策が有効なのか。それは、何よりもドライバーの賃金を適正化すること、具体的には引き上げることにほかならない。まず、賃金が上がり、仕事の内容に見合った魅力的なものになれば、新しい労働者が増える。現在のドライバー不足の決定的要因は
「賃金不足」
にあるのだ。
「そんなことはわかっている。それが簡単にできるならとっくにやっている」という運送会社の経営陣も多いだろう。しかし、今、自分たちの問題として真剣に取り組まなければ、待っているのは運送業界の縮小と破たんである。
運送事業者が経営難に陥った場合、それを助けるのが政治の役割である。例えば、
・収益の一定金額をそのままドライバーの賃金に還元した場合は、それらを全て控除対象とする
・賃金を上げた企業には法人税を優遇する、なんなら消費税も優遇する
・燃料価格や高速道路料金を引き下げ、運送会社のコストを削減する
など、やれることはいくらでもある。
政府は徴税にだけは熱心で、財務省は財政の健全化が進んでいると自負しているようだ。しかし一方で、企業や消費者はそうした健全化の恩恵をまったく受けていない。政策の効果を納税者に説明できない政治は並以下である。