2年ぶり「鉄道技術展」 語られた二つの「新たな課題」とは? コロナ禍 災害 車内犯罪も多発(前編)
コロナも影響か 出展・来場者数とも3割減

「第7回 鉄道技術展2021」が千葉市美浜区の幕張メッセで開催された。会期は2021年の11月24日(水)から26日(金)までの3日間で、多くの鉄道関係者や工事関係者などが集まった。
「鉄道技術展」は、日本唯一の鉄道技術の総合展示会であり、鉄道・交通システムやインフラ技術、施設、電力、輸送、運行管理、車両、インテリア、旅客サービスなど、あらゆる鉄道技術に関わる企業や団体が集まる見本市だ。主催は産経新聞社で、2010年からほぼ隔年で開催されており、今年で7回目となる。
昨年から今年にかけては、コロナ禍の影響で「自動車技術展(人とくるまのテクノロジー展)」が中止(オンライン開催)になるなど、大規模な見本市の多くが開催できない状況に追い込まれた。いっぽう今回の「鉄道技術展」は、幸い日程が緊急事態宣言の解除後だったこともあって「リアル」での開催となり、対面での情報交換が可能になった。
今回の「鉄道技術展」は、「第4回 橋梁・トンネル技術展」や「第9回 鉄道技術国際シンポジウム(STECH2021)」と合同で開催された。「第4回 橋梁・トンネル技術展」は、社会インフラである橋やトンネルに的を絞った展示会で、鉄道関連企業だけでなく、NEXCO西日本や首都高速道路の関連企業や建設会社、インフラの建設・点検・補修を行う機械のメーカーなども出展した。「STECH2021」では、日本の鉄道技術者だけでなく、北京交通大学やフランス国鉄の研究者も講演した。
今回は3日とも晴天に恵まれたが、コロナ禍の影響もあり、前回(2019年)よりも規模がやや小さくなった。主催者発表情報によれば、出展者数(企業・団体)は535社(海外115社をふくむ)から359社、来場者数(登録入場者数)は3万5136人から2万4717人へと、それぞれ前回よりも約3割減少した。
また、海外からの出展者や来場者は大幅に減った。渡航制限などで来日できない関係者が多かったためだ。企業・団体の展示ブースが並ぶ展示会場では、前回は設けられていた欧州の企業・団体が集まるエリアがなくなり、併催事業である講演会に登壇した海外の研究者らも基本的にはオンラインによる出席となった。