中国依存から脱却? パナソニックのEV電池材料「カナダ調達」は吉と出るのか、それとも凶か
パナソニックエナジーとカナダのヌーボーモンドグラファイトとの業務提携。その背景には何があるのか。
西村経産大臣のカナダ訪問

問題は、カナダでの新たな黒鉛資源開発がどう進むかだ。ただ、この問題にはさらなる“追い風”が吹いている。
つまり、2023年9月21日から、西村康稔経済産業大臣がカナダを公式訪問し、カナダ政府のウィルキンソン天然資源大臣と、より濃密な会談を行った。ここで、両国の経済協力とEV用リチウムイオン電池の新たなサプライチェーン構築に関する覚書が交わされた。
つまり、この時点ですでにこのプロジェクトは、パナソニックエナジーとNMGの民間協力を超え、2国間協力となったのである。
中国は今後も世界の黒鉛市場を支配し続けると予想される。欧米の中国離れが加速すると予想される2032年においても、精製黒鉛のシェアは80%近くを維持すると予想される。
日本の電池メーカーが政府とともに決定した新たな黒鉛資源開発が成功することを期待したい。