池袋駅前は今後良くなる? そごう・西武ストで再認識された「駅前商業」の重要性と代替不可能な価値

キーワード :
, ,
JR池袋駅東口に位置する西武池袋本店の従業員のストライキが決行され、大きな話題となった。従業員には通行人や地元の人などから予想以上に理解や応援の声が寄せられ、改めて街の玄関口である「駅前商業の重要性」が認識された。

雑多さが魅力だった池袋

2016年4月にリニューアルオープンした南池袋公園(画像:写真AC)
2016年4月にリニューアルオープンした南池袋公園(画像:写真AC)

 今回の売却騒動をきっかけに、池袋の顔となる駅前商業の低層階にふさわしいのは家電量販店か、ブランドショップかという論争が起きた。どこの駅前にもある家電量販店が池袋の顔となるのは難しいが、では、ブランドショップが池袋の顔かといわれればそれも違和感がある。

 池袋は“若者の街”と呼ばれているが、渋谷や原宿などのイメージとは異なり、さまざまな層が集まる雑多なイメージがある。かつての池袋駅地下街はアジアっぽいカオスな印象があった。

 例えば「すなっくらんど」がある。

・そば
・うどん
・やきそば
・ラーメン
・どんぶり
・サンドイッチ
・おにぎり
・原宿ドック(ワッフル生地の棒状スナック、その後「ブクロドック」として似たスナックが販売された)

など低価格のメニューを扱った立ち食い形態のフードコートであり、汚いと嫌がる人もいただろうが、他の都心ターミナル商業地にはない興味をそそられた。“若者の街”といっても、最先端のアートやファッションとはあまり縁がなく、

「やぼったさもあるが気楽に立ち寄れる」

それは池袋の魅力でもあった。

 近年は池袋も開発が進捗(しんちょく)し、新しい複合商業ビルが次々に開発されている。駅周辺に位置する池袋中心部の公園もリニューアルした。もちろん、駅地下街もきれいになっている。以前の池袋のイメージとは異なる、

「明るく都会的で居心地のよい環境」

が増加していると感じる。

 豊島区は高齢化が進展し、都心でありながらも23区で唯一、消滅可能性都市(20歳~39歳の若い女性人口が減少し、将来的に人口が維持できない市区町村)に指摘されたことがあり、若い女性に好まれ、若いファミリー層が増加するようにイメージを刷新するべく、都市開発を推進したことがうかがわれる。人口も増加しており、その効果はあったといえる。

全てのコメントを見る