ハイオク表示不正から約3年 ガソリン高騰の今こそ「オクタン価」を学べ

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2020年6月、ハイオクガソリンの表示不正が社会全体を騒然とさせた。あれから3年余り。騒動は鎮静化しているように見える。

表示不正から3年余り

ガソリンスタンド(画像:写真AC)
ガソリンスタンド(画像:写真AC)

 2020年6月、ハイオクガソリンの表示不正が社会全体を騒然とさせた。あれから3年余り。騒動は鎮静化しているように見える。

 ちなみに騒動の骨子は、それまで石油元売り会社ごとに独自成分で製造されていると宣伝されていたハイオクガソリンの大半で、

「業界内部でのバーター取引による混合調達」

が行われていたというもの。すなわち、この時点でハイオクガソリンの成分において、製造会社ごとの違いはなかったということである。

 この騒動では

「今までメーカー指定買いしていたのに」
「裏切られた」

といったユーザー側からの厳しい批判が元売り各社に寄せられることとなった。ちなみに、レギュラーガソリンに関してはそれ以前から元売りの垣根を越えた調達融通が行われており、国内で販売されている商品における品質差はほぼなかった。

 この問題については、当初は各社それぞれオリジナルの成分配合とともに製造されていたハイオクガソリンながら、ガソリン全体の消費量が漸減していったこと。そのなかでもガソリン全体に占める割合が10%に満たなかったハイオクガソリンは製造貯蔵配送のいずれの段階でもコストが掛かったこと。その結果、コスト削減を目的にバーター調達に至ったものと推測できた。

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