ハイオク表示不正から約3年 ガソリン高騰の今こそ「オクタン価」を学べ

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2020年6月、ハイオクガソリンの表示不正が社会全体を騒然とさせた。あれから3年余り。騒動は鎮静化しているように見える。

「ノッキング」に注意

こちらは無鉛プレミアム。91は街中のガソリンスタンドで売られているものと同じ。96は公道でも使用できる。100は最近増えている無鉛指定に対応したレース用ガソリンである(画像:矢吹明紀)
こちらは無鉛プレミアム。91は街中のガソリンスタンドで売られているものと同じ。96は公道でも使用できる。100は最近増えている無鉛指定に対応したレース用ガソリンである(画像:矢吹明紀)

 なお、現代のクルマのエンジンは、ガソリンの品質が理由で深刻なトラブルに至る心配はほぼない。もちろんそれなりに信頼あるメーカーや販売店のものを入れているということが前提である。

 しかし古い外国車などはこの限りにあらず。こうしたクルマの場合、使用するガソリンの品質はもちろん、実際の運転状態などにも常に注意することが必要となる。

 具体的にはオクタン価不足でエンジンがトラブルに至る前兆として、

「ノッキング」

という症状がある。これは排気音ともメカノイズとも明確に異なる「カリカリカリ」という耳慣れない連続音がエンジンから生じる症状であり、放置するとピストンの焼き付きやヘッドガスケットの破壊などの深刻なトラブルとなる。

 ノッキングはコンピューターマネジメントを備えたクルマであれば、仮に起こったとしてもクルマの側が素早く適切な処置を行う。運転者が気付くこともまずないだろう。危険なのはそれらがない古いクルマ、さらには新しくてもエンジン本体やコンピューターなどに手を加えたチューニングカーなどである。

 ノッキングについての詳述は本稿の趣旨とは異なるためこれ以上は触れない。気になる方は、ぜひ調べてみてほしい。原因、対策など、有益な情報はネットや書籍などで多く提供されている。

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