ハイオク表示不正から約3年 ガソリン高騰の今こそ「オクタン価」を学べ

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2020年6月、ハイオクガソリンの表示不正が社会全体を騒然とさせた。あれから3年余り。騒動は鎮静化しているように見える。

米国の複雑な表示

米国のシアーズポイントレースウェイで販売されているレースガソリンのラインアップ。Leadedとは有鉛の意味。こうしたレースガソリンはNASCARやヒストリックカーレースなどで使われている(画像:矢吹明紀)
米国のシアーズポイントレースウェイで販売されているレースガソリンのラインアップ。Leadedとは有鉛の意味。こうしたレースガソリンはNASCARやヒストリックカーレースなどで使われている(画像:矢吹明紀)

 具体的にはヨーロッパ規格でのレギュラーガソリンはオクタン価91/81.5以上、プレミアムガソリンのオクタン価は95/85以上、スーパープラスガソリンが98/88以上である。併記されている数字の前者はリサーチ法オクタン価、後者はモーター法オクタン価。前者に対して後者は実際の走行状態に近い条件での測定に基づいたものといわれている。

 ヨーロッパ規格の場合レギュラーとプレミアムの差が少なく、しかもレギュラーの最低オクタン価が高い。ヨーロッパ車はレギュラー指定であってもプレミアムを入れた方が安心といわれるゆえんである。

 米国の場合、オクタン価表示は少し複雑で、しかもガソリンの種類も多い。レギュラーが87、ミディアムが89、プレミアムが91となっている場合が多いが、この数字はアンチノックインデックスと呼ばれている米国だけの表記に基づいたものであり、その内容は「モーター法オクタン価 + リサーチ法オクタン価 / 2」というもの。表記数字はヨーロッパや日本よりは小さいものの、実際には大差はないことが理解できると思う。

 ちなみに米国にはこの上のグレードのガソリンも一部で流通している。無鉛プレミアムのアンチノックインデックス96、同じく100。さらに有鉛レースガソリンである112、114、116などもある。こうした高規格ガソリンが販売されているのはレーシングコース付属のガソリンスタンドなどである。

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