「ガソリン車排除」で税収減 英国では「走行税」案が噴出、これは脱炭素化につながるのか?
EVのために減る税収

国内からガソリン車・ディーゼル車を排除していくことで、減ってしまったもの、それは「税収」である。
2025年4月1日からは、EVも道路税の支払いが必要になるが、それまで免除されているということは、税収が減っていることを意味する。これは数億ポンド(数百億円)の損失と考えられている。
さらに大きいのが燃料税である。現在、ガソリン1L当たり、52.95ペンス(約97円)の燃料税がかけられている。2023年9月17日時点のガソリン代は1L当たり155.5ペンス(= 1.55ポンド、約283円)なので、3分の1程度を税金が占めている。
2023~2024会計年度には243億ポンド(約4兆4417億円)の税収が見込まれているのだが、これは英国における税収の2.3%にのぼる。
物価高騰対策で、2024年4月までこの燃料税は5ペンス(約9円)の減税が行われているので、さらなる税収減少につながっていることになる。
燃料税は2030年まで90億ポンド(約1兆6450億円)の損失になり、全国の市町村が行き詰まる可能性があると、2023年9月17日、上院環境気候変動委員会の公聴会中にレゾリューション財団のシニアエコノミスト、ジョナサン・マーシャル氏によって警告された。
この問題については、既に2022年2月に下院運輸委員会が、財務省と運輸省に対し、走行距離に応じて税金を課す
「走行税(ロードプライシング・システム)」
を提案しているが、いまだ正式に対処策についての言及がない。
マーシャル氏はまた、政府の対応が遅れれば遅れるほど、低所得のドライバーへの負担が大きくなることを強調した。EVの価格はガソリンやディーゼルの同等品よりも 1万ポンド(約182万円)も高く、低所得のドライバーには手が届かない。
従来のガソリン車であれば、道路税も燃料税も支払い続けることになる。より所得の高いEVのオーナーが少なくとも2025年3月末までこれらを支払うことがなく、その後も燃料税を支払わないことで、不公平になる。
走行税については、ロンドン市長のサディク・カーン氏も2023年9月14日に、「走行税の検討を続けてきた」が、
「自身が市長である限り、導入しない」
と話している。