道路を破壊する「ネット通販業者」 税金整備で国交省も敵視、“アマゾン税”なるジョークが飛び交う深刻な現実とは

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道路が短命化している。その背景にはネット通販の増加もある。短命化すれば、道路に投じられる税金は増える。

人手不足の“戦犯”は「再配達増加」

トラックのタイヤと道路(画像:写真AC)
トラックのタイヤと道路(画像:写真AC)

 政府が旗を振った全国旅行支援により、コロナ禍は忘れられつつある。コロナ禍がやかましかった2020年から2022年までの間、巣ごもり需要は堅調だった。この需要で売り上げを拡大したのが、アマゾンをはじめとするネット通販、そしてウーバーイーツを代表とするフードデリバリーだった。

 コロナ禍以前から、ネット通販は一般的に普及していた。ネット通販は2016年前後に急成長を遂げる。以前から慢性的な人手不足の業界だが、2016年前後は宅配・物流事業者が危機的な人手不足に陥る。その“戦犯”とされたのが、ネット通販の普及による

「再配達の増加」

だった。

 再配達は時間的なロスにつながる。そのため、宅配・物流事業者は残業が常態化した。ブラック労働に従事する宅配・物流事業者に若者が魅力を感じるはずもなく、それが人手不足を招いた。

 そうした状況を改善するべく、宅配・物流事業者は再配達の削減に取り組む。その修正手として期待されたのが、24時間受け取りが可能なオープン型宅配ボックスだった。2016年からオープン型宅配ボックスの設置が急速に進んだ。

 クロネコヤマトでおなじみのヤマト運輸は、フランスのネオポストと合弁会社を発足。街角や駅前などに「PUDOステーション」を設置する。この動きに他社も追随し、オープン型宅配ボックス他社は一気に増加していく。

 オープン型宅配ボックスが続々と設置されたものの、業界が考えていたほど再配達によるロスは減らなかった。なぜなら、ますますネット通販は盛況となり、比例して再配達も増加したからだ。

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