エアバスも「ゼロエミッション航空機」で本腰 “電動化”の波押し寄せる航空機産業の現在地とは
世界の航空機産業は“電動化”が大きな技術開発テーマとなっている。そんななか、欧州では航空機システムに関する研究開発プロジェクトが2002年以降から実施されており、日本の研究機関でも諸外国に後れをとらないよう、航空機システムに関する継続的な研究開発が必要である。
電動化の現状と課題

経産省は日本企業の強みを売り込むことで、欧米メーカーとのパートナーシップを強化することも視野に入れる。合わせて必要になる軽量化・効率化については、2010年以降、日本製炭素繊維複合材の活用が進んでおり、今後のシェア拡大が重要視されている。
2030年までに、機体のモデルチェンジに合わせ、装備品の電動化に向けた技術やハイブリッド電動化の技術の確立を目指す。2050年に向けては、
・小型機(20人以下)の全自動化
・リージョナル機(100人以下)以上のハイブリッド電動化
に向けたコア技術の拡大、組み立て技術の確立、蓄電池や電動モーター等の技術開発による大幅な騒音の削減を目指す。
現在は欧米メーカーを中心に、複数の航空機電動化プロジェクトが進められている。また、各国政府やエアライン各社も、電動化等の新技術を導入した機体の調達を進める動きがある。
プラット・アンド・ホイットニーとコリンズ・エアロスペースは、2メガワット級の推進システムを搭載したハイブリッド航空機(ターボプロップ機)の開発を進めている。このシステムにより、既存機に比べて30%の効率向上が見込まれるという。
航空宇宙局(NASA)が開発した150席規模の旅客機「STARC-ABL」は、両翼に搭載したエンジンで尾翼に取り付けた電動ファンを回転させ、摩擦抵抗を軽減することで効率的に推進力を得ることを可能にした構造となっている。
ゼロアビア社は2020年9月、燃料電池による6人乗りの電動航空機で数分間のフライトを行った。同社は今後、20席サイズの航空機で500マイルの飛行を計画している。また、ノルウェー政府は2040年までに、ノルウェー国内を発着する航空機をすべて電動航空機に切り替えると発表している。