率直に言う 新型「ランドクルーザー」は、トヨタによる「LCプライド」の奪還である

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ランドクルーザー250の公開から1か月、自動車関連メディアはいうまでもなく、ユーザーの間でもその詳細について活発な意見交換がなされ現在に至っている。なぜここまで大きく注目されたのだろうか。

ランドクルーザーという「存在」

ランドクルーザー250(画像:トヨタ自動車)
ランドクルーザー250(画像:トヨタ自動車)

 2023年8月2日。トヨタはワールドプレミアとして、それまでのランドクルーザー・プラド(150系)の後継である250系を大々的に公開した。さらに同時にランドクルーザーの原型を継承する存在というべき70系の国内復活も発表された。

 あれから1か月、自動車関連メディアはいうまでもなく、ユーザーの間でもその詳細について活発な意見交換がなされ現在に至っている。新型のランドクルーザー250は、なぜここまで大きく注目されたのだろうか。そこには21世紀に入ってからのトヨタのオフロード4WD戦略の在り方。さらにそれらを踏まえた上での新しい試みが垣間見えるものだった。

 トヨタにとってランドクルーザーというモデルは、極東の新参自動車メーカーにすぎなかった1950年代に、初めて世界的な高評価を得ることができた記念すべき存在だった。1950年代のオフロード4WDといえば、ジープやランドローバーといった軍用車原を型とするモデル。それらをベースにバンやピックアップボディを架装したモデル。もしくはトラックの駆動系を4WDにモディファイした、これ軍用車がルーツというモデルしか市場には存在しなかった。

 ジープやランドローバーはオフロードでの走行性能こそ高かったものの、キャビンの耐候性は低く普段使いにはワイルドに過ぎた。バンやトラックをベースとしたモデルは基本的には車体が大きく、これも使い勝手が限定された。

 そうした状況のなか登場したランドクルーザーは、ジープやランドローバーと同サイズでありながら、よりパワフルなエンジンとしっかりとしたクローズドボディとともに市場に投入された。そしてその基本性能の高さと使い勝手のよさを評価され、瞬く間に世界的なベストセラーモデルとなったのである。

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