率直に言う 新型「ランドクルーザー」は、トヨタによる「LCプライド」の奪還である

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ランドクルーザー250の公開から1か月、自動車関連メディアはいうまでもなく、ユーザーの間でもその詳細について活発な意見交換がなされ現在に至っている。なぜここまで大きく注目されたのだろうか。

オフロード4WDのプレミアム化

ランドクルーザー250(画像:トヨタ自動車)
ランドクルーザー250(画像:トヨタ自動車)

 しかし時代が21世紀に入ると、自動車メーカーの多くは開発と製造にコストが掛かるワリに多くの販売台数が望めなかったオフロード4WDを持て余すこととなる。

 その結果、導き出されることとなったのが、先にレンジローバーやメルセデス・ベンツのゲレンデヴァーゲンが成功していたオフロード4WDのプレミアム化だった。販売価格を上げることで収益性が改善されれば、市場に残す意味がある。

 さらにブランドのイメージアップにもつながればさらに申し分ない。こうして世の中のオフロード4WDはプレミアムなスポーツタイプ多目的車(SUV)としての姿にその存在を掛けることとなる。多くの場合、オフロード性能優先というよりは全天候環境下で威力を発揮する高性能SUVとなっていったのはご存じのとおりである。

 さて、新型のランドクルーザー250である。このモデルについてはいずれ新型が出ることは想定されていた。しかしその具体的な姿はフラッグシップの300系に準じたものとなることを大多数の人が想像していた。それは市場でのライバルだったジープやランドローバーを見れば明らかだった。

筆者が思い浮かんだ過去の車

ランドクルーザー250(画像:トヨタ自動車)
ランドクルーザー250(画像:トヨタ自動車)

 そうした大方の予想のなかで登場したランドクルーザー250は、そのシャシープラットホームをランドクルーザー300と同じGA-Fとしながら、外観イメージやサイズ感を大きく変えて来た。そのボディ形状とデザインを見て、

「ランドクルーザーらしくない」
「むしろトヨタらしくない」

と感じた人は多かったはずである。筆者(矢吹明紀、フリーランスモータージャーナリスト)はたとえとして適切かどうかはわからないが、かつての

・ジープ・チェロキー
・ジープ・コマンダー

などの姿が頭のなかに思い浮かんだ。

 きっちりと水平ラインを出したボディ。オフロード走破性の高さを予感させるフェンダーアーチやフレア。コンパクトにまとめられた前後のオーバーハング。ちなみに車体サイズ自体は前モデルに対して全長は100mmアップの4925mm、全幅は95mmアップの1980mm、全高は20mmアップの1870mm、ホイールベースは60mmアップの2850mmとなっている。

 すなわち決してコンパクトなサイズとはいえないのだが、見た目から受ける印象はタイトに集約されている。これはシンプルでスクエアなラインでまとめられたフロントマスクのデザインも含めて、現行のランドクルーザーにはなかったデザインテイストである。

 ここにトヨタが新たに盛り込んだイメージは、走行性能の高さをデザインからしっかりとアピールすることに他ならないだろう。通常の乗用車や商用モデルでは不安がある環境下でも、人員や荷物を安全確実に運ぶ。それこそがランドクルーザーに求められた性能の原点であることを、見た目から主張しているといい換えてもよいだろう。

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