大排気量Go!Go! 環境志向の現在も「アメ車」が根強く残っているワケ
自動車大国米国では、いまだに大排気量車の人気が根強い。環境意識の高まりからエコロジー志向が進んでいるとはいえ、長距離走行に適した大柄なボディや排気量が重要視されているのも事実だ。その理由は何だろうか。
日本と米国の自動車環境の違い

米国では大排気量車が有効だが、日本と米国の自動車環境は異なる点が多く、実際にアメ車を所有していると「不便」と感じる点が多い。
まず交通事情を見ると、米国では長距離移動が多く、常に高速道路を走っているような環境である。一方、日本では信号が点在し、止まる回数も多い。一方通行の狭い道が多く、運転しにくいという交通事情も違う。日本人より大柄な米国人向けに設計されたアメ車は、日本の道路を走るには大きすぎる。
さらに、日本では自動車にさまざまな税金がかかる。例えば、自動車税は排気量に応じて課税されるため、当然排気量が大きいほど税金は高くなる。日本自動車連盟(JAF)によると、日本の自動車税は米国の約23倍。消費税を考慮しても、日本の自動車諸税は米国の約4.8倍という調査結果が出ている。他の複雑な日本の税制と比較しても、負担は米国の約32倍であり、実際に米国の大排気量車を所有している場合、高い税金を支払わなければならないことになる。
こうした理由から、国産車は小排気量車へとシフトしており、大排気量エンジンを搭載した国産車は減少傾向にある。とはいえ、大排気量車の力強い加速やクルージングの快適さを忘れられない人たちもいる。
そういう人たちは、独特のビジュアルと大きな車体、超ド級の大排気量エンジンを持つアメ車に憧れを抱いており、それが今でもアメ車が日本で人気がある理由なのだろう。