大排気量Go!Go! 環境志向の現在も「アメ車」が根強く残っているワケ

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自動車大国米国では、いまだに大排気量車の人気が根強い。環境意識の高まりからエコロジー志向が進んでいるとはいえ、長距離走行に適した大柄なボディや排気量が重要視されているのも事実だ。その理由は何だろうか。

減少した大排気量エンジン車

大排気量エンジンを搭載したジープ「グランドチェロキー」(画像:ジープ)
大排気量エンジンを搭載したジープ「グランドチェロキー」(画像:ジープ)

 大排気量エンジンは、高級車やスポーツカーに搭載されることが多かった。アクセルを踏み込めば力強く加速し、クルージングを快適で魅力的なものにしてくれる。

 しかし、このような大排気量エンジンを搭載した車は、一度に多くの燃料を燃やすため、ガソリン消費量が多くなり、燃費が悪くなる。また、エンジン部品などの点数が多いため、維持費が高いというデメリットもあり、大排気量エンジンを搭載する国産車は減少傾向にある。

 特に2000年以降は環境意識が強くなり、排ガス規制や原材料費の高騰も相まって、各メーカーは徐々に小排気量エンジンへとシフトしていった。近年では、「ダウンサイジングターボ」と呼ばれるエンジンが増加し、2010年代の自動車業界のトレンドとなっている。

 環境規制の目的は温室効果ガスの排出抑制であり、自動車メーカーにとっては「いかに温室効果ガスを排出しない車を作るか」が課題となっている。しかし、ガソリンを燃やす内燃機関であれば、燃焼効率を高めたとしても、走行時に温室効果ガスを排出しないことは不可能である。環境規制が厳しくなればなるほど、内燃機関だけでは対応できなくなり、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)へのシフトを余儀なくされる。

 一方、自動車大国米国では、いまだに大排気量車の人気が根強い。環境意識の高まりからエコロジー志向が進んでいるにもかかわらずなぜだろうか。

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