運転免許試験場の近くによくある「代書屋」 いったい何をやっている店なのか?

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運転免許試験場がある地域には、ユニークな商売がある。その代表格が「代書屋」である。いったい何をやっている店なのだろうか。

猛プッシュされる代書屋

鮫洲駅(画像:写真AC)
鮫洲駅(画像:写真AC)

 この記事を書くにあたって さまざまな文献を検索したところ、戦前から昭和30年代までの運転免許取得のマニュアル本には、例外なく

「書類は代書屋に依頼すること」

と書かれていた。その一部を引用してみよう。

「自動車運転免許証の交附を受けるために提出する所謂申請書類で、代書屋で作ってもらへるものは(1)運転免許証下付申請書(2)履歴書の二種である。このふたつに限つては代書屋の方で上手に作つてくれるから、本人がこせこせ長時間を費やして苦労するにはあたらない。代書屋に一切たのめば本人は印鑑を持参するだけで事が済む。(中略)代書屋は地方ならば縣廳のある市の縣廳の建物附近に出てゐる。警視廳では警視廳の建物の地階第一階に五、六軒並んで居り毎日忙しく働いて居る」(菊池洋四郎『自動車運転者受験読本』国際自動車協会出版部、1938年)

「試験場附近についたらまず代書屋に飛びこみ、用意して来た戸籍記載事項証明書(又は戸籍抄本又は住民票抄本)、写真及び印鑑によって、申請手続きに必要な書類をつくってもらいます。(中略)申請書や身体検査の用紙は自分で作ってもよいわけですが、大きさや書式が面倒ですから、集団受験でもする方でない限り、三十円払って代書屋に頼んでしまった方がよいでしょう。代書屋には印刷した用紙がありますから、必要事項さえ書き込めば三分くらいの間に出来上がってしまいます」((交通試験問題指導協会編『スクーター書類申請より免許合格まで』弘文堂書店、1956年)

「申請書は代書屋サンに書いてもらいなさい。申請書の書き方は、簡単ですから、自分で書けないこともありません。しかし、試験場の付近には、代書屋さんがいて、30円くらいで書いてくれますから、書いてもらった方が手っとり早い」(安井良典編『モーターバイクの運転者試験問題と合格の準備』西東社、1959年)

 いったいなぜ、そこまでして代書屋を勧めるのだろうか。1948(昭和23)年に当時の文部省が行った読み書きの能力調査によると、当時でも仮名すら正しく読み書きできなかった日本人はわずか1.6%しかいない。

 それでも書記が必要不可欠だったのは、当時は役所に提出する書類の作成が非常に煩雑だったからである。

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