「EVシフト」勢い止まらず 日本が“後出しジャンケン”で負ける根本理由
世界のEV市場では、日系ブランドは「2.5%」しかシェアを獲得できておらず、残念ながら出遅れている。なぜか。
サービス事業のネットワーク外部性
EVは移動するだけでなく、搭載電池の電力を系統連係の調整電源や非常用電源として活用できる。また電力を個人間で取引するような新たなビジネスも想定されているようだ。
自動車メーカーではないが、エネルギーソリューション企業であるエネルXは、EVユーザー向けに販売した個人所有の充電器をシェアリングするマッチングプラットホームを提供している。
EV社会では、電池や充電周辺でこのような個人間取引の可能性が検討されている。これを可能にするプラットホームサービスでは、いわゆる
「ネットワーク外部性」(同じ商品の利用者が増えれば増えるほど、ひとりの利用者が受ける便益が大きくなる現象)
が効いてくる。その結果、強い企業がより力をつけ、独占的地位を確立することがある。逆にいえば、市場参入の出遅れが致命的になってしまう可能性がある。
また、このようなサービスを欧州・中国などの先行地域で開発し、米国やアジアに展開して根付かせてしまう可能性もある。そうなれば、日本で様子見していた企業はゆでガエルとなってしまいかねない。