「EVシフト」勢い止まらず 日本が“後出しジャンケン”で負ける根本理由
世界のEV市場では、日系ブランドは「2.5%」しかシェアを獲得できておらず、残念ながら出遅れている。なぜか。
日本の今後の対応
各国・各地域で、EVや電池は安全保障上の戦略アイテムとして認定され、市場がブロック化されている。このような状況では、自国に大きな市場を持つ自動車メーカーやサービス事業者が強い競争力を持つことは避けられない。
日本にとっては非常に厳しい事業環境といえる。そのようななかでも将来のEV社会でプレゼンスを発揮するためには、
・市場の立ち上がりが早く
・規模が大きい海外市場で
・現地企業と協業体制を作りながら
・EV事業のキャッチアップを図る
必要があるのではないか。
特にこれからEV市場が立ち上がる米国市場は、関係性や市場規模ではこの上なく、さらにインフレ抑制法などにより、中国企業が進出しにくい状況が作られているため、日本にとって最優先市場である。
その一方で、日本企業は技術的な先行・優位性があるので、これを生かして先行企業へのけん制を行うことは効果的だ。
LIBの次世代電池として、期待が高まっている全固体電池の実用化に注力することで、先行者の設備投資リスクを増大させることは有効だ。6月にトヨタ自動車から、全固体電池を搭載したEVの販売計画が発表されたことは記憶に新しいが、まさに競争戦略的なセオリーに沿って先行企業をけん制したものと推察される。