中国EV「奇点汽車」経営破綻 なぜ新興EV企業はすぐ没落するのか? 具体的な“4つの理由”を解説する

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中国の新興EV・奇点汽車が破産したことが先日、報じられた。2021年には拜騰汽車が破産している。新興EV企業のために開かれた窓は、突然閉ざされようとしている。

生き残るために行うべきこと

充電を行うEV(画像:pixabay)
充電を行うEV(画像:pixabay)

 では、生き残るために新興EVは何をすればよいのか。それは

・製造委託
・モジュール供給
・協業と統合

の三つである。同様にそれぞれ解説する。

●製造委託
 米国のフィスカーは、オーストリアのマグナシュタイアーに製造を委託している。半導体同様、EV製造に必要な技術と投資を切り離すことで開発に専念し、開発期間も短縮できる。

●モジュール供給
 米国政府と企業向け中型トラック企業のライトニングeは、商用EVのシャシーを他社に販売する。シャシーは、パワートレーン(エンジンで発生させた動力を車輪に伝える装置)やサスペンションなどを取り付ける車体底部の構造体で、このようなモジュールを他社から買えば、開発/製造の時間と費用を節約でき、販売台数が増えれば価格は下がる。バッテリーとモーターの仕様で他社EVとの差別化は可能だ。

●協業と統合
 米国の調査会社モーニングスターは、新興EVが直面する逆風がお互いを引き寄せる可能性があると述べる。テスラは自社の急速充電網を他社に開放し、ゼネラルモーターズ、フォードとリビアンがその利用を決め、充電標準の統合が進む。開発での協業は周辺事業の協業より大きな効果を生む。

 テスラ以外もEV販売拡大策を進める。BYDと小鵬汽車は既存EVの値下げではなく、手ごろな価格のATTO 3と G6で増販を目指す。トヨタはBEVに本腰を入れ、次世代電池の量産化を宣言した。これらは新興EVにとって逆風ではなく、市場が活性化すれば生き残るチャンスも増えるはずだ。

 革新的な技術やアイデアは新興企業から始まる。窓は完全に閉ざされるわけではない。テスラとBYDに続く、

「第3の新興EV」

の出現を期待する。

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